私が初めてマクロビオティックに出会ったのは20年ほど前のことです。
アンソニー・J・サティラロという医師の体験を綴った「がん━ある完全治癒の記録」という本を友達が紹介してくれました。
これはマクロビオティックによってガンを克服した手記なのですが、食べものによってガン細胞を死滅させることができると知り、大きな衝撃を受けました。
その後、河内省一著「健康食と危険食━東洋的食養の英知」やジョン・ロビンス著「エコロジカル・ダイエット生きのびるための食事法」などを読み、食べものが体に及ぼす作用を知り、肉食はやめようという思いがつのりました。
ところが、その当時は書店でもマクロビオティックの本はなかなか手に入らなかったし、インターネットもない時代だったので、自分なりに玄米やひじき、切り干し大根などを食べてみたり、肉、卵、乳製品をやめてみたりすること位しかできませんでした。
もしガンになったら本格的にマクロビオティックをやれば治るから大丈夫、みたいに思っていました。
その後長女を出産しましたが、長女はアトピー性皮膚炎で、米、ひえ、あわ、小麦、じゃがいも、とうもろこし、大豆、魚がアレルゲンであることがわかりました。皮肉にも、肉類、卵、乳製品は大丈夫で、マクロビオティックで食べるようなものがダメだったのです。
それで、やむなくマクロビオティックをあきらめました。
当時、私は母乳育児のトラブルが多く、桶谷式の母乳相談室で指導を受けていました。
そこで教えてもらった乳房にトラブルのおこらない食事法は、白米をメインに食べ、具たくさんのお味噌汁と、野菜や豆、海草を摂るものでした。
肉、卵、乳製品、油っぽい魚、油、砂糖、果物、香辛料はいっさいダメ、ということで、それらを除去した上に、さらに娘のアレルゲンである食物も除去しなければなりませんでした。
玄米も大豆も肉も卵も乳製品も魚もダメだったら、タンパク質は何から摂ればいいの?
穀物がほとんどダメだったら、主食は何を食べればいいの?
食べるものがなくなってしまい途方に暮れました。
栄養士さんに食事指導の相談に行ったこともあります。
結局、娘の食べられるものを気長に1つずつ探して、主食はコーリャン(たかきび)、アマランサス、キヌア、そば、さつまいもを5日で回転させ、タンパク源は魚の中から反応の出ないものを見つけ、鯛、うなぎ、あじ、さより、太刀魚、カマス、トビウオ、えび、豚肉を回転して使うことになりました。
そんな状況だったので、マクロビオティックだ、無農薬だ、などと言っていられませんでした。
幸い半年ほどで、娘は低アレルギー米と低アレルギー小麦粉を食べられるようになり、他の物もしだいに食べられるようになったので、その後はずっと桶谷式の食事を続けていました。
桶谷式の食事を続けていると、私の体調もとても良かったのです。
そんなある日、新谷弘実著の「病気にならない生き方」という本を読みました。
すると、これもまたちょっと違う食事法でした。
新谷先生は内視鏡で胃や腸を見るパイオニアですが、胃壁や腸壁がキレイでいることが健康の秘訣ということから、胃壁や腸壁を汚さない食べものを食べるのがいいという考えに基づいた食事法を提唱されています。
全粒穀物を摂り、肉、卵、乳製品を食べないのはマクロビオティックと似ていますが、フルーツや生野菜をたくさん摂り、油はダメというものです。
ちまたでは他にも様々な健康法があふれているし、いったいどれが本当なのか、何を食べてよいのか、わからなくなってしまいました。
そこでマクロビオティックのことを、もう1度調べ直してみると、やはりとても理にかなっていると納得できたのです。
でも、陰陽のことについてもよくわからないし、玄米ぬきでマクロビオティックができるかどうかもネックになっていたので、きちんと勉強してみたいと思いました。
クシマクロビオティックアカデミィで勉強してみて、いろいろなことを知ることができ、本当に良かったと思っています。
特に、マクロビオティックはまったくストイックなものではなく、自分が何をどのように食べたいかを考えながら柔軟に取り入れていけばよいものだとわかったことは、大きな収穫でした。
ただ、最近になって思うことは、マクロビオティックも時代と共に変化する部分もあるし、正しいと思っていたことがそうではないことだってあるので、大筋の部分では受け入れつつも、日々勉強をおこたらず、臨機応変に対応しなければいけないということです。
ビーガンとか、マクロビアンとか、ラクトオボベジタリアンとか言って、お互いをけん制しあうのではなく、みんなの目標は「健康で幸せに暮らすこと」で同じなのだから、尊重しあって、知恵を出し合っていくことが大切なのではないかと思います。
このブログを書いていて、私って玄米を食べれないし、本当はマクロビアンじゃないのかもしれないと思ったりすることがあります。
でも、玄米を食べられないことは、大きなマクロビオティックの考え方の中では小さなことであって、そう考えると、たいした問題ではないように思えるし、だいたい、マクロビアンであろうと、マクロビアンでなかろうと、そんなことはどうでもいいことだと思えるようになりました。
「体に良くおいしいものを楽しく食べて健康で幸せに暮らす」それが全てなのですから!
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以前からちょくちょく拝見していました♪
初めてコメントします。
記事を拝見して、とても重なるところが多くて、思わずコメントせずにはいられませんでした・・・
わたしも長男のアレルギーが分かった後にマクロビを知ったのですが、長男はお米アレルギーだったので同じようにマクロビ食は向かなかった経験があります。
でもマクロビってもっと柔軟なんだ・・・ってわたしも今では感じています。
(でも基本はやっぱり大事ですよね)
いつも素敵な記事、楽しみにしています!
よろしければリンクさせて頂いても大丈夫ですか・・・?^^
時間的な余裕がなくて、なかなか他の方のブログに遊びに出かけてコメントすることができないのですが、今度遊びに行きますね♪
リンクよろしくお願いいたします。こちらからもリンクさせていただきます。
あいやこさんもがんばってください。
マクロビにいい点があるのはよく理解できますが、それは、マクロビに限った話ではなく、多くの健康法が言っていることですよね。
逆に間違っていることも多いですよね。
スミレコさんもそれを感じていらっしゃると思うのですが、それでもマクロビを名乗らなくてはならないものなのでしょうか。
多少、はずれても、、、と、多くの人がはずれまくりながら、都合のいいところだけ取り入れながら、なんでもかんでもマクロビって言っちゃってるのに常々疑問をもっていました。
ちょっと調べようと思ったらこちらのブログをみつけたのでした。
スミレコさんも、マクロビアンであってもなくてもどうでもいいと思えるようになったとのことですが、それでもマクロビって言い続けるのでしょうか?
マクロビという世界から抜け出すってことはないですか?
もちろん、いい点は取り入れたらいいと思いますが、、、。
うまく書けなくて、きつい表現があったらごめんなさい。
はじめまして。すばらしいコメントをありがとうございます。こういうコメントをいただくとホントうれしいです!
お返事を書いていたら、あまりに長くなってしまい、そして、その内容が他の皆さんにもぜひお伝えしたいものになってしまったので、4月26日の記事にアップさせていただくことにしました。どうぞ、そちらをご覧ください。