Q.有機栽培、無農薬、無肥料栽培、自然農法、特別栽培作物など、いろいろあって、何が何だかよくわかりません。違いは何ですか?
A.この15年位の期間に、農林水産省で有機栽培などに関する表示ガイドラインの変更やJAS法改正が何度も行われ、農産物の呼び方をいろいろと変えたために、私たち消費者には、とてもわかりにくいものになってしまっています。
以前は、有機栽培、無農薬、減農薬、低農薬などという表示をされていました。
けれども、有機物を少しでも使って作物を作りさえすれば、他にいくら化学的な農薬を使用していても「有機栽培」と表示して販売したりすることがあったために、平成12年にJAS法の改正が行われ、「有機栽培(オーガニック)」という表示についてはJAS法の認証制度の認定を受けたものでないと、してはいけないことになりました。
「有機栽培農産物」「有機農産物」「有機○○」「オーガニック○○」などの表示はすべてJAS法の認証制度の認定を受けたものです。
「有機栽培農産物」は化学合成農薬、化学肥料、化学合成土壌改良材を使わないで(ただし、指定された天然系農薬の使用は認められています)、3年以上を経過し、堆肥など(有機質肥料)による土づくりを行った場所で収穫された農産物をさし、3年未満6ヶ月以上の場合は、「転換期間中有機農産物」といいます。
詳しくはこちらをご覧ください━有機農産物のJAS規格
また、無農薬、減農薬、低農薬などの表示については平成16年からなくなり、農水省のガイドラインで、化学合成農薬、化学肥料の両方を5割以上減らして栽培された農産物はすべて「特別栽培農産物」と表示されることになりました。
現在では、「無農薬」「減農薬」などの商品表示は禁止されています。
天敵と特定農薬のみを使用している場合は「農薬:栽培期間中不使用」と表示します。
「特別栽培農産物」という表示をしたいために、農薬回数を減らす方法として、強い農薬を使うこともあると聞きました。
買い物をする時は細かい表示を確認して、信頼できるものを買ったほうが良いでしょう。
詳しくはこちらをご覧ください━特別栽培農産物に係る表示ガイドラインパンフレット
無肥料栽培と自然農法は同じもので、農薬と肥料を一切使用しないで作った作物のことです。それに加えて、自然農法を不耕起(耕さない)、不除草(除草しない)で、自然にまかせた農法だとする考え方もありますが、そのあたりの線引きはあいまいなようです。
有機肥料を使うと硝酸性窒素が多くなり、それが虫をおびきよせる原因になったり、人間の体にもよくないという考えから、無肥料栽培(自然農法)では肥料を使わないで作物を栽培します。
有機肥料の中には動物の糞尿が含まれており、その中には抗生物質が含まれていて、その影響で土の中の微生物バランスが崩れて特定の病原菌が突出してしまうそうです。
肥料をまかずに土を元気にすることで、元気な野菜が育つということです。
詳しくはこちらをご覧ください━有機野菜や無農薬野菜はまだ買うな!本物の野菜・玄米の見分け方!
参考:有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドライン
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